京都の東寺(教王護国寺)は、真言宗の総本山であり、空海(弘法大師)によって開かれた歴史的な寺院です。その中でも特に注目される行事が「生身供(しょうじんく)」です。この記事では、生身供の詳細、歴史、参加方法などを深掘りして紹介します。
生身供とは?
毎朝行われる特別な法要
生身供とは、毎朝6時から東寺の御影堂で行われる法要です。この儀式は、弘法大師空海が唐から持ち帰った仏教の教えを日本に広めた際、生前行っていた供養の形式をそのまま再現しています。つまり、弘法大師が毎日食事をしていたのと同じ形式で供養が行われるのです。
生身供の歴史
鎌倉時代から続く伝統
生身供の起源は鎌倉時代に遡ります。この儀式は、弘法大師が没した後も霊徳を絶やさないために始まりました。以来、東寺では毎日欠かさずこの供養が続けられてきました。地元の信者や全国からの参拝者がこの行事に参加し、弘法大師の教えに触れることができる貴重な機会となっています。
生身供の流れ
早朝の静寂とともに始まる儀式
開始時間と参加方法:生身供は毎朝6時に始まります。参加するためには、朝5時55分頃には東寺御影堂の西の院(入口)で開門を待ちます。参拝者は自由に参加でき、特に予約は必要ありませんが、早めに行くことをおすすめします 。
(6時過ぎても参加できます)
法要の内容:御影堂の扉が開かれるところから始まります。中央には弘法大師坐像が安置されており、その前に一の膳、二の膳、お茶が供えられます。信者の方々が唱える和讃や真言が堂内に響き渡ります。法要の間は国宝・弘法大師坐像がご開帳なさいます。
仏舎利のお授け:法要の終盤には、弘法大師が唐から持ち帰ったとされる仏舎利が参拝者に授けられます。参拝者は手のひらを上に差し出し、仏舎利のご利益を受け取ります 。
終了:6時50分頃、法要は終了しますが、その後も御影堂での参拝は自由にゆっくりできます。
生身供に参加する際のポイント
服装
早朝の東寺は冬場は特に冷え込みますので、暖かい服装が必須です。
御影堂の場所(上記図)
東寺の慶賀門から入り、まっすぐ直進すること数分で突き当たりの門が御影堂の西院(入口)になります。この西院の前で開門6時まで待ちます。6時になると開門で一旦立ち止まり、10回鐘がなり終えると御影堂の中に靴を脱いで入ります(開門直後10回の鐘が鳴り終わらないうちは御影堂に入れません)
※慶賀門か御影堂の唐門(壬生通り側)からがわかりやすく入れます。
御影堂の中ではイスが用意されておりますが(40~50人分)満席のときは御影堂の外で立って参拝することになります。
地元の方が10人位、御影堂西院に集まっていました
慶賀門から入って間もなく右側にトイレがありますよ
京都駅八条口(イオンモール側)周辺のホテルから慶賀門まで徒歩約20分です。
おすすめの参拝スポット
生身供の後には、ぜひ東寺の他のスポットも巡ってみてください。特に五重塔や金堂、講堂などは見逃せません。感動します。これらの場所では、真言密教の教えを体感できる展示や建築が多数あります。尚、金堂、講堂の開門時間は8時です。
東寺から徒歩10分で迷わずに行ける京都プラザホテル本館・新館に前泊にしました
生身供の魅力
心に響く和讃と真言
生身供の最大の魅力は、その厳粛な雰囲気と信者たちが唱える和讃や真言の響きです。これらの祈りは、空海の教えを今に伝えるものであり、その力強さは参拝者の心に深く響きます。
仏舎利のご利益
仏舎利とは、仏陀の遺骨や遺物を指します。東寺の生身供では、弘法大師空海が唐から持ち帰ったとされる仏舎利を参拝者に授ける儀式が行われます。この仏舎利は、空海が得た仏教の教えとともに、日本に広められた重要な聖遺物です。仏舎利のお授けは、生身供ならではの特別な体験です。そのご利益を受けることで、一日の始まりに心身ともに清められた気持ちになります。
まとめ
京都東寺の生身供は、歴史と伝統を感じながら、心静かに祈りを捧げることができる特別な行事です。早朝の静寂の中で行われるこの法要は、弘法大師の教えを現代に伝え続ける貴重な機会です。京都を訪れる際には、ぜひこの生身供に参加し、その神聖な雰囲気を体感してみてください。
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